「大手の証券トレーダーって、実際どのくらい稼げるの?」
金融業界やトレーダー職に興味を持っている人にとって、年収や報酬体系はやはり気になるポイントではないでしょうか。
結論から先にいうと、だいたい下記のようなイメージです。
✅ 新人で年収500万円~900万円
✅ 数年で1,000万円超えも可能
✅ 実力と肩書次第で年収5,000万円~1億円以上も現実的

すごい数字ハモ!
この記事では、大手証券会社で約8年間株式オプショントレーダーとして勤務していた筆者が、証券トレーダーの収入事情を実体験ベースで解説します。
この記事を読むと
📌大手証券トレーダーの年収水準が分かる
📌トレーダーの収入を決める要素が分かる
Contents
証券トレーダーの給与体系は「固定+業績連動ボーナス」
大手証券会社のトレーダーは、基本給だけでなく業績連動の賞与(成果報酬)が支給されるのが一般的です。
具体的には以下のような構造です。
✅固定給:安定収入、役職や勤続年数によりじわじわ増加
✅賞与:年間収益やチーム貢献度などをもとに決定、振れ幅がとても大きい
日系でも外資系でも、年次が上がるにつれて賞与の比率が劇的に大きくなってきます。
「歩合制なんでしょ?」とよく聞かれますが、それはプロップファームの評価方法であることがほとんどです。プロップファームに関してはこちらの記事を参照ください。
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実際の年収レンジ
守秘義務の都合上、筆者が受け取った金額の具体的な開示はできませんが、一般的にこれくらいだろう、と業界内で言われている年収金額を例示してみます。
肩書(コーポレートタイトル)ごとに幅が変わってくるため、一般的な肩書とともに表でまとめてみました。あくまで目安です!
※以下は国内系大手証券を想定した目安、外資系の若手はこの倍以上などもある。
アナリスト(AN) 新人 | アソシエイト(AS) 係長クラス | ヴァイス・プレジデント(VP) 課長クラス | エグゼクティブ・ディレクター(ED) 課長クラス | マネージング・ディレクター(MD) 部長クラス |
500万円~900万円 | 800万円~1,500万円 | 1,000万円~3,000万円 | 2,000万円~5,000万円 | 3,000万円~1億円(数億円に達することも) |
実際は年度の実績によって振れ幅が非常に大きく、1億円稼ぐVPなども存在しうるため、本当にあくまで参考程度です。
平均年収の高い職業としては医者やパイロットが有名ですが、証券トレーダーの年収は非常に幅も広く、圧倒的であることが分かると思います。
もちろん上記は「平均」ではないため注意が必要ですが、金銭的に夢がある職業であることは間違いありません。
"マイケル・ルイス(著)ライアーズ・ポーカー"という書籍に、証券会社のソロモン・ブラザーズに勤務していた著者が巨額のボーナスを受け取るシーンがあります。
とても古い時代の話ですが、おそらく業界の慣習や雰囲気は当時とあまり変わっていないと思います。
金融に詳しくない方でも面白く読める本なのでとてもおすすめです。
この本を読んで証券トレーダーを志したという人もたくさんいます。
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安定性とリスク:年収の振れ幅が大きい職種
証券トレーダーの収入の特徴
大手証券トレーダーの年収には以下のような特徴があります。
メリット
✅成果が出れば若くして高収入が狙える
✅同年代の中では圧倒的に給与水準が高い
✅大きな振れ幅の賞与はモチベーションになる
注意点
⚠️分かりやすい歩合制ではないことが多い(一長一短ある)
⚠️部門収益が出ないと賞与がゼロという年もありうる
⚠️トレーダー自体の評価が下がると配置転換もある
⚠️景気やマーケット状況に左右される不安定さ
大手証券トレーダーはより総合的な(悪く言えばウェットな)視点で仕事の功績を評価されます。
したがって、ボーナスが上司からどのように査定されるかが、トレーダーの収入を大きく左右することになります。
特に外資系証券では、より明確な個人成績主義や歩合的要素が強くなり、稼げない年が発生するとすぐに首を切られるようなことも多いです。
ボーナスの決まり方
ボーナスの査定基準は会社によってまちまちです。
しかし、やはりトレーダーは「稼いだ金額」がその大部分を占めているというのはどの会社でも間違いないでしょう。
一部では、本人が担当したブック(トレーディング帳簿)損益の何%、と具体的な歩合が導入されているケースもあるようですが、多くのパターンとしては、
ボーナス = 本人の業績 × 肩書 × 会社の業績 × ビジネスへの貢献度
という構図になっていると考えられます。
本人の稼ぎと肩書、会社の業績は分かりやすいですね。
一番もやもやするのは、ビジネスに対する貢献度をどのように測定するか、ということで、良くも悪くも、稼げてない割に高収入の人が存在しうる理由になります。
貢献度を測る要素の例
✅長期的に利益が出るビジネスラインを構築した
✅新規顧客をお得意様にした
✅様々な部署と協力して巨大なディールを引き受けた
部長や課長など役職がある場合は、部下の成績にも影響を受けます。
総じて、上席からの評価が高い人物であるほど、ボーナスは上がりやすいといえます。
極端な例ですが、本人の稼ぎが年度マイナスでもボーナスが出る、というパターンも存在します。
メダル集めと社内政治ゲーム
キャリアとしての魅力|転職市場での評価も高い
証券トレーダーとしての経験は、他の金融機関やヘッジファンドなどでも高く評価されます。
たとえ年収が振れやすいとしても、トレーダーになれる人材は限られているため、キャリアの市場価値が高く、出口戦略としても魅力的な職種です。
証券トレーダーが効率よく年収を伸ばすためには、自らのマーケットメイクとディーリングによって利益を出す、というのが最もシンプルですが、自らの実績を(多少盛ったりして)アピールしながら国内大手や外資系証券を転々とするのもごく一般的なキャリアパスです。

意外と社内政治的な要素があるんですね。
まとめ
🔑証券トレーダーは成果次第で高収入が得られる
🔑年度によって報酬の上下が激しい
🔑完全実力主義ではなく、社内の評価が大事
証券トレーダーの年収は不安定なものの、やはり高水準であり、努力と実力、そして社内評価がものを言う世界です。
市場と向き合いながら、年収を伸ばしたい人にとっては、非常に魅力的なキャリアの一つといえるでしょう。
別の記事では、証券会社ごとのトレーダーの違いや、マーケットメイク業務の詳細、筆者が就活生からよく受けていたQ&Aなども執筆しています。興味がある方はぜひ他の記事もご覧ください。
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