「積立枠はわかるけど、成長投資枠ってどう使えばいいの?」
新NISAが始まり、自由度の高い成長投資枠に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
証券会社のNISA特設ページでも、成長投資枠の使い方が解説されてますが、「結局何をどう買えばいいか」教えてもらえず、消化不良の方も多いと思います。
この記事では、成長投資枠でおすすめする
(クリックで各見出しに移動します)
を、元証券トレーダーである筆者の考えも交えてわかりやすく解説します。
この記事はこんな人におすすめ!
📌新NISAをこれから活用したい人
📌成長投資枠の買い方に迷っている人
📌何を買えばいいか選べない人
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Contents
新NISAの成長投資枠とは?積立枠との違いも解説
まずおさらいです。
✅つみたて投資枠:投資信託などでコツコツ積立する枠 年間120万円まで
✅成長投資枠:個別株やETFなど幅広い商品が買える枠 年間240万円まで
積立投資枠と違い、成長投資枠は買い方やタイミングの自由度が高いのが特徴です。
自由度が高い分、何をしたらよいのか分からず、放置してしまう人も多いと思います。
つみたて枠の使い方
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ここから、成長投資枠の賢い使い方を紹介します。
初心者・中級者別 成長投資枠の賢い使い方と買い方例
基本は「ドルコスト平均法」
初心者の方は、無理なく投資を続けることが何より大切です。
成長投資枠でも、できれば一定の金額を毎月決めてコツコツ買うのが失敗しにくい方法です。
これをドルコスト平均法と言います。
相場の上下に一喜一憂せず、長期で資産を育てられます。
ドルコスト平均法の具体例
中級者以上は「年間予算を決めて暴落時にまとめ買い」
マーケットを普段からチェックできる方には、こんな方法もおすすめです。
✅成長投資枠用の年間予算を用意(例えば100万円)
✅普段は待機資金として残しておき、"暴落時に一気に投入"する
相場が大きく下がったときに買うことで、ドルコスト平均法より割安に株を仕込める可能性が上がります。
ただし、定期的に相場をチェックする必要がある上、暴落が起きなければ買いそびれてしまいます。
また、一度に予算を全て投入してしまうと、暴落が連続した場合に困ってしまいますが、
暴落前に買った人たちよりマシ
という考え方をすると気が楽になります。
1日に買う量は予算の1/3~半分程度まで、と決めておくのもありです。

筆者は主にこちらの買い方を使っています。
ドルコスト平均法で定期的に株を買うのが正直面倒ですし、暴落拾いの方がトータルで見てパフォーマンスがよいと信じているからです。
例えば、2025年4月7日の日経大暴落を見て、狙っていた3197すかいらーくを翌朝に買いました。
寄付きの2,769円で買って、1か月後には10%以上値上がりしています。
正直超怖かったですが、買ってよかったです。
「暴落」をどうやって判断する?
成長投資枠での銘柄選びのポイント
投資効率を重視するなら高配当株+成長株
筆者が一番現実的だと思うのが、高配当株と成長株の組み合わせです。
✅高配当株:安定して配当をもらいながら長期保有
✅成長株:将来の値上がり益を狙う
これを組み合わせると、リスクとリターンのバランスが取りやすくなります。
・高配当株は企業の利益を積極的に配当として払う会社(バリュー株)
・成長株は企業の利益をさらなる投資に回している会社(グロース株)
なので、株価の性質が真逆で、組み合わせることで銘柄の分散効果が高まります。
成長株の方がリスクが高い傾向があるため、高配当株 7:成長株 3などの割合がちょうどよいです。
高配当株の見極め
高配当株は下記のような指標を参考にピックアップするのがおすすめです。
🔑配当利回り4%以上
🔑ミックス係数(PER×PBR)10~15未満
🔑10年~20年ほどのチャートを見て今の株価が安値圏にある
🔑過去数年の売上高、営業利益が下落傾向ではない
🔑なるべく業種に偏りが出ないように選ぶ
これらの多くは証券会社のページや「会社四季報」で調べることができます。
会社を調べるなら四季報
配当利回り、PER、PBR、など用語が難しくて分からない方にはこちらの書籍がおすすめです。
財務諸表を分かりやすく学ぶ
成長株の見極め
成長株のピックアップは高配当株より難しいです。数字より自分の感覚を大事にしましょう。
🔑実生活で利用して将来性を感じた会社
🔑時価総額がまだ高くない(時価総額300億円未満など)
🔑10年~20年ほどのチャートを見て今の株価が高値更新中ではない
🔑過去数年の売上高、営業利益が増加傾向
🔑世間で話題になっているテーマの銘柄を選ぶ
一言で言えば、「夢がある」と思った銘柄を信じてじっと待つ投資です。
楽しさを重視するなら優待株もあり
投資を楽しみながら続けたい方は、株主優待が充実している銘柄を選ぶのも一つの手です。
✅例:飲食チェーン、スーパー、旅行会社など
✅優待で外食や買い物ができて、生活の楽しみも増える
ただし、配当や株価が不安定な場合もあるので、やりすぎは禁物です。
特に、株主優待としてQUOカード(など用途の広い商品券)を配っている企業には注意しましょう。
突然優待の廃止などがあると、株価が急落したりします。
一度もQUOカードを配らなかったREVOLUTION
8894 REVOLUTIONという会社は、QUOカード優待を含めた配当利回り10%以上の株として注目を集めていましたが、2025年3月11日に突如、優待制度廃止を発表し、4月には株価が発表前から70%以上大暴落しました。
なお、筆者のNISAポートフォリオはほとんどが優待株です。
参考までに、筆者が実際に持っている優待株を一部紹介しておきます。
筆者が実際に持っている優待株の例
2919 マルタイ(福証のみに上場)
3197 すかいらーくホールディングス
4661 オリエンタルランド
7630 壱番屋
8153 モスフードサービス
8179 ロイヤルホールディングス
9936 王将フードサービス

食い物ばっかりハモ。もっと分散させるべきハモ。
夢を見るなら「超低位株」に分散投資
少額投資で、数十円~数百円の超低位株を複数銘柄に分散しておくのも面白いです。
✅一つが大きく値上がりすればリターンは大きい
✅外れても失う金額は小さい
まさに宝くじ感覚で楽しめる戦略です。
この戦略は、凄腕ヘッジファンドマネージャーの清原達郎氏による、「わが投資術 市場は誰に微笑むか」で「割安小型成長株」として紹介されていた手法です。
割安小型成長株の見極め
🔑ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券×70%-負債
🔑ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ/時価総額
🔑↑で計算したネットキャッシュ比率が1以上の銘柄をピックアップ
🔑経営者が会社を成長させる強い意志を持っているかHPやSNSでチェック(重要!)
🔑事業内容に将来性を感じるか
こちらも四季報が役に立ちます。
さらに詳しく学びたい方はぜひ清原氏の書籍をお読みください。
会社を調べるなら四季報
割安小型成長株投資を学ぶ
【中上級編】パフォーマンスが良いアクティブ投信を真似する裏技
筆者が面白いと感じているのが、人気アクティブ投信のポートフォリオを参考にする方法です。
✅パフォーマンスがよいアクティブ投信の上位銘柄を調べて、自分で同じ株を買う
✅投信のコスト(信託報酬)を節約しつつ、プロの運用をNISA口座で再現できる
もちろん完全に同じにはなりませんが、考え方としては非常に有効です。
高い信託報酬を払うくらいなら、自分で再現した方がコストが安く、株式投資の経験値も貯まります。
やりかたの例
🔑パフォーマンス良好なアクティブ投資信託を調べる
🔑運用レポートや運用報告書を見る
🔑組入上位の銘柄とウェイトを見る
🔑同じ比率になるように、銘柄・株数の組み合わせ表を作る(予定ポートフォリオ)
🔑予定ポートフォリオどおりに株を購入する(一括、ドルコストなど買い方は自由)
注意点としては、
⚠️なるべく同じウェイトで株を購入したいため、まとまった資金がいる
⚠️投信の組入銘柄はどんどん変わるので、時々入れ替えが必要
というものがあります。
NISA運用に慣れてきて、数百万円まで資金が増えてきたら挑戦してみましょう。
【応用編】積立用の投資信託を暴落時に機動的に買う
筆者はNISAのつみたて投資枠で「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)一択」を推奨しています。
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投資に対してエネルギーを使いたくない人に特におすすめですが、そういう人は成長投資枠を持て余すことも多いです。
そこで、こちらの戦略はいかがでしょうか。
✅普段はつみたて投資枠だけでコツコツとオルカンを買い続ける
✅市場が「暴落」したときは、成長投資枠でもオルカンを一気に買う
中級者以上は「年間予算を決めて暴落時にまとめ買い」で紹介した戦略と、つみたて投資戦略の合わせ技です。
これならば、いちいち買う銘柄を考える必要はなく、成長投資枠も無駄なく使えて便利です。

なんか株が下がっていると世間で話題だな
と思ったら、成長投資枠でもオルカンを買うことで、省エネながら効果的な投資ができます。
なお、この記事は主に日本株の投資を想定していますが、米国株や、欧州先進国の株式でも問題ありません。
成長投資枠で絶対に避けたい失敗
最後に、成長投資枠を使う上での注意点です。
⚠️短期売買をしないこと
- 売買のたびにタイミングを計るのはプロでも難しく、税金面でも不利
- 株式投資は長期で育てるのが王道
⚠️一発狙いに資金を集中させない
- 夢は大事でも、全額を賭けるのはNG
- コツコツ分散が大前提、暴落狙いでもなるべく分割しよう
⚠️余裕資金で楽しむ
- 積立投資枠は守り、成長投資枠は攻め
- 成長投資枠は「遊びすぎず楽しむ」くらいがちょうどいい
これらに共通しているのは、
投資には我慢が必要
ということです。
投資=ギャンブルだと思っている人がいます。
確かに、株は運の要素も強く面白いゲームですが、娯楽と投資は分けて考えておいたほうがよいでしょう。
まとめ
🔑成長投資枠は自由度高いがリスク管理必須
🔑初心者はドルコスト平均法でOK
🔑中級者は暴落用の待機資金を作る
🔑銘柄は高配当+成長株+優待株で楽しむ
🔑短期売買はNG!余裕資金でじっくり
新NISAの成長投資枠は、使い方次第で資産形成の大きな武器になります。
NISA口座をまだ持っていない方はぜひ証券口座を開設しましょう。
当ブログではNISA関連や、資産形成の考え方、今すぐできるお金の習慣などの記事を執筆しています。ぜひご覧ください。
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