将来のお金の不安、ありませんか?
「なんとなく貯金しなきゃ」「投資が必要らしい」と思っていても、いざ何をすればいいか分からない…。それは、"目的"が定まっていないからかもしれません。
資産形成の第一歩は、「何のためにお金が必要か」を明確にすることです。目的によって、お金を貯めるペースも、選ぶべき手段も変わります。
この記事では、30代でFIREした元証券トレーダーの筆者が、新社会人向けに「目的別の資産形成法」を分かりやすく解説します!
この記事を読むと
・資産形成を目的から考える必要性が分かる
・目的別に最適な資産形成方法が分かる
Contents
資産形成は目的から考えよう
まず最初に考えてほしいのは、「何のためにお金を貯めるのか?」ということです。目的が違えば、適した方法も変わってきます。
たとえば、「緊急時の備え」に必要なお金と、「老後のゆとりある生活」のためのお金では、準備にかけられる時間も、リスクのとり方も違います。
目的ごとに分けて考えることで、今の自分に必要な行動が明確になります。
主な資産形成の目的は次の5つです:クリックすると該当の見出しに飛びます
それぞれを詳しく見ていく前に、一つだけ主張しておきたい大切なことがあります。
会社員だけが人生じゃない
我々が生きる社会は、高等教育が終わったら新卒として会社員になることが当たり前の生き方であるかのように錯覚させてきます。
もちろん会社員だけが生きる道ではないことは誰でも知っていますが、ここをよく考えずに過ごしていると、その重大性を見過ごしてしまいがちです。筆者自身も、会社員を8年経験してようやく、自分が集団の一員として働くことに向いていないことに気付きました。
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ここはひとつ、ぜひ立ち止まって考えていただきたいのです。
キャッシュフロークワドラントを知る
ヒントとなる書籍を紹介します。FIREした投資家が口をそろえて名著と語る、ロバート・キヨサキ(著)「金持ち父さん 貧乏父さん」です。まだ読んだことがない方はこの機会にぜひ読んでみてください。
投資家のバイブル
このシリーズの中で、「キャッシュフロークワドラント」という概念が出てきます。お金の稼ぎ方を下記のように4種類に分ける考え方です。
Employee
労働者 |
Business Owner
ビジネスオーナー |
Self-employed
自営業 |
Investor
投資家 |
会社員、公務員、アルバイトなど、組織に雇われてお給料をもらう人は、この4つの中で「Employee(労働者)」に属します。
Employeeは安定収入を得ることができますが、働く場所や仕事内容の自由度が低く、大きな金額を短期間で得ることが難しいという特徴があります。
Self-employed(自営業)であれば、仕事の自由度は増えますが、収入の安定性は低く、自分自身の時間を切り売りして稼ぐ点はEmployeeと同じになります。
一方で、右側の2つは「他人が自分のために働いてくれる仕組みを持っている」立場にあります。もちろんそこには大きな責任やリスクが伴うため、EmployeeやSelf-employedと比較して優れていると言いたいわけではありません。
最終的にどの稼ぎ方を目指したいか
筆者がここで伝えたいのは、自分自身が働くことだけがお金の稼ぎ方ではない、ということです。
これを知っているのと知らないのでは、社会人としての過ごし方がまるで変ってきます。
もし30~40代でFIREしたり、1億円以上の金融資産を持つお金持ち、いわゆる「億り人」になりたい、と考えているようであれば、会社員としての仕事だけをがむしゃらに頑張っても到達できない可能性は高いです。
一方で、他人を雇ったり、仕事が急に無くなったりする責任や焦りには耐えられない、という人は会社員を定年まで(あるいはそれ以降も)続けるというのが最も心地よい選択である場合もあります。
例えば筆者は現在、不動産投資(Investor)をしながら個人トレーダー(Self-employed)として生計を立てているので、自営業と投資家の中間にあたるのですが、この働き方は自分の好きなように時間を使えるので気に入っています。
お金持ちは目立たない
少し耳が痛いかもしれませんが、もう一つだけ大切なことをお伝えします。
本当に多くの資産を持っている人は、一見お金持ちに見えないことが多いです。
「となりの億万長者」という本があります。アメリカで1万人以上の億万長者を調査した結果、彼らの生活スタイルが「普通の人々」と変わらないことが分かった、という内容です。
となりの億万長者
この本の中で筆者の好きな表現があります。
牛を一頭も持っていないくせに、大きなカウボーイハットをかぶって、見かけだけは一丁前の牧場経営者、ってヤツがいるんだよね。
「となりの億万長者」より引用
貯金が少ないのに、収入が多いために派手な生活をして自分がお金持ちかのように錯覚している人々を皮肉った言葉です。生活を楽しむためにお金を使うことを否定したいのではありません。そもそもお金は使うために存在するのですから。
しかし、お金持ちになりたいと願う人は多いにもかかわらず、倹約・投資・仕組みづくりに真剣に取り組んでいる人は驚くほど少ないです。多くの人が、手に入れた収入のほとんどを消費してしまうからです。
お金持ちとは、お金を「持っている」人のことです。お金を「たくさん使う」人のことではありません。
もしあなたが将来お金持ちになりたいと考えているのであれば、「お金は使うと貯まらない」という当たり前の事実から目を背けないようにしましょう。
それでは、目的別の資産形成を詳しく見ていきましょう!
1. 緊急時に備える:生活防衛資金
目的
病気やケガ、急な転職など「もしも」の時に困らないように備えるお金。
生活費の3か月分が理想です。家賃、食費、通信費などから、必要な生活費をざっくり計算してみてください。
方法
・まずは無駄な支出を極力避ける
・給与天引きや自動積立を活用して貯める
・貯まった少額のお金をIPO投資など低リスクな手段で運用する
ポイント
最優先で準備するべき資金です。お給料がもらえるようになって嬉しいかもしれませんが、全部使ってしまわず、貯める癖をつけましょう。
この資金に関しては定期預金など現金に近い方法で持っておくべき、という意見がありますが、筆者はあえてIPO投資をおすすめします。
IPO投資は株式投資の一種ですが、少額かつ低リスクで始められる点から、筆者は緊急資金の運用先として一定の活用価値があると考えています。
ただし、元本割れの可能性はゼロではないため、「生活防衛資金は100%現金で」と考える方には向きません。リスクを理解した上で検討しましょう。
また、無駄な支出を避ける癖は早いうちにつけておきたいですが、自己投資は歓迎です。新社会人にとって最もコストパフォーマンスのよい投資が自己投資です。本を読む、資格の勉強をする、新しい趣味を始める、などですね。また、今の生活を楽しむのも大事です。程よい節約をしつつも、あまり切り詰め過ぎないようにしましょう。
2. ライフイベントに備える:結婚・出産・住宅購入・教育資金など
目的
10年以内に発生しそうな大きな支出に備える。
結婚しない、一生賃貸に住む、という選択肢もあります。ご自身のライフプランをよく考えることが大事です。
方法
・定期積立預金や学資保険など貯蓄型保険(手堅いがあまり増えない)
・NISAを活用して積み立てる
・IPO投資
ポイント
将来必要になる資金のため、リスクは抑えたいですが、インフレ(物価上昇)対策として現金以外の運用法を積極的に取り入れたいです。
ある程度の長期間をベースに考えるので、NISAを利用して株式投資をメインに活用していきたいところです。積み立て対象としてはインデックス投信やETFが安定していますが、株主優待が充実した個別銘柄に資金を入れて、長期的に持っておくのも楽しいです。
高配当株投資という選択肢もありますが、この段階では定期的なお小遣いは目的にそぐわないため、少し方向性が違うと思います。
保険は慎重に
3. 老後資金の準備
目的
将来、年金だけでは足りない生活費を補うため。
方法
・企業型DCまたはiDeCo(個人型確定拠出年金):節税メリット大!
・NISAを積極活用して積み立てる
・住宅ローンを利用した自宅の住み替え
・新築アパート投資や築古戸建など安定重視型の不動産投資
ポイント
ここでは時間が最大の味方です。少額+コツコツ継続が大きな差につながります。
確定拠出型年金
まずは企業型DCまたはiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入しましょう。勤務先に企業型DC制度があればぜひ利用し、なければ証券会社でiDeCoの口座を開設です。
また、企業型DCにはマッチング拠出といって、自己資金を追加で加算できる制度があります。迷うようであれば上限まで拠出しておくのがおすすめです。
確定拠出型年金とは
20代のうちから確定拠出年金とNISAを継続して運用するだけでも、老後資金としては強固な資産形成ができるでしょう。
不動産を利用した資産形成
さらに積極的にいきたい方は、不動産を使った資産形成がおすすめです。
20代から住宅ローンで自宅を買う人は少ないですが、同じ会社に3年ほど勤めていればある程度の金額でローンを組めるようになります。
ここで、住宅ローンを使って自宅を購入し、10年ほど住んだら売却して他の物件を住宅ローンで購入、という手順を繰り返すと、高い再現性でまとまった資金が手に入ります。
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また、自宅を利用した資産形成の他に、賃料収入を得ることを目的にした不動産投資も視野に入ります。
もちろんこちらはよりハイリスクなので勉強が必要ですが、老後資金の準備という目的ならば、ローンを利用して新築アパートを1~2棟だけ建ててじっと待つ戦略や、現金重視で築古戸建を買い進める手法が安定しており、比較的向いていると思います。
4. 自由な人生設計(セミリタイア・FIRE)
目的
「30~40代で仕事を辞めたい」「好きな場所で自由に働きたい」など、人生を自分でコントロールするための資金形成。
方法
・副業でお金を貯めて投資に回す
・NISA口座の高配当株投資で配当収入を得る
・不動産投資で賃料収入を得る
ポイント
リスクは高いですが夢もあります。
保守的なスタイルでは、最初からここを狙うのではなく、上記の①〜④を固めた上で「挑戦枠」として取り入れるという考え方がありますが、時間がかかってしまいます。
特に30代FIRE(サイドFIRE含む)を目指す場合、「1. 緊急時に備える:生活防衛資金」が終わった直後にこの項目に取り組むのも十分ありです。
生活に困らない資金を確保するのが最大の目的なので、何らかの形でキャッシュフロー(収入)を得る仕組み作りが大切です。その意味では、NISA口座で株の積み立てを行う投資は、やり方によっては効率が悪くなります。
投資用資金を貯める戦略、NISA口座を使った投資戦略と、FIREを前提とした不動産戦略に関しては別記事で詳しく紹介しています。
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まとめ まずは目的を考えてから行動しよう
資産形成は「目的」→「期間」→「手段」の順で考えるのがコツです。
まずは生活防衛資金を確保。その後、ライフイベントや老後を見据えて、つみたてNISAやiDeCoから始めたり、IPO投資や不動産投資など、比較的リスクの大きな投資に手を広げていくのがおすすめです。
当ブログではNISAのおすすめ活用法や、初心者向けIPO投資の始め方、不動産投資のおすすめ手法などについても解説する記事を書いています。ぜひご覧ください。
無理に背伸びする必要はありません。大切なのは、まず一歩を踏み出すことです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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